単結晶X線回折とは?
たんけっしょうえっくすせんかいせつ
単結晶X線回折とは、単一の結晶にX線を照射して得られる回折パターンから物質の原子・分子構造を決定する分析手法のことです。
単結晶X線回折(たんけっしょうXせんかいせつ、Single Crystal X-ray Diffraction; SCXRD)は、原子が規則正しく並んだ単一の結晶(単結晶)にX線を当て、結晶内の電子によってX線が散乱・回折する現象を利用して、物質の三次元構造を原子レベルで決定する分析技術です。
X線が結晶に入射すると、各原子面で反射したX線が干渉し、特定の角度で強め合い(ブラッグ反射)、特徴的な回折スポットのパターンが生じます。このパターンを記録・解析することで、結晶内の原子の種類・位置・結合距離・角度・熱振動などの詳細な構造情報が得られます。
単結晶X線回折が重要視される理由は、その精度と情報量の高さにあります。
- 分子の絶対配置(不斉中心のR/S)を決定できる
- 共有結合・水素結合・配位結合など結合様式を直接観察できる
- タンパク質・DNA・無機化合物など幅広い物質に適用できる
タンパク質の立体構造解析にも広く使われており、DNAの二重らせん構造の発見やインスリン・ペニシリンの構造決定も本手法の貢献によるものです。試料調製として良質な単結晶を育てることが最大の課題であり、結晶化が困難な膜タンパク質などでは電子顕微鏡(クライオEM)が補完的に用いられています。
使い方・例文
「新薬候補分子の立体構造を確認するために単結晶X線回折を行い、目的の配置が正しく合成されていることを確認した」というように、化学・薬学研究でよく使われます。
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