免疫の無視とは?
めんえきのむし
免疫の無視とは、人が将来の不幸な出来事に対する自分の適応力(心理的免疫システム)を過小評価し、実際よりも長く苦しむと予測してしまう認知バイアスです。
免疫の無視(immune neglect)は、心理学者ダニエル・ギルバートらが提唱した概念で、人が感情予測(affective forecasting)を行う際に犯しやすいエラーのひとつです。人間には、つらい出来事に直面したとき、合理化・意味づけ・比較対象の変更などを通じて感情的な痛みを和らげる「心理的免疫システム」が備わっています。ところが、将来の感情状態を予測するとき、このシステムのはたらきを無視・過小評価してしまう傾向があります。
その結果、「もし失恋したら一生立ち直れない」「仕事で大失敗したら立ち直れないほどのダメージを受ける」といった過大な苦しみを予測します。しかし実際には、人の感情は想定よりもはるかに早く回復することが多く、ギルバートはこれを「心理的免疫システムの恩恵を予測に組み込めていない」と説明しています。
免疫の無視が生じやすい場面としては次のものがあります。
- 恋愛の破局後の苦しみを過大に見積もる
- 試験や仕事の失敗による落ち込みの継続期間を長く予測する
- 大病や事故など人生の苦境からの回復を低く見積もる
この概念は「人は実際の体験よりも先を読む力が弱い」というより広い感情予測の研究につながっており、リスク回避の意思決定や心理的なレジリエンスの理解に示唆を与えます。
使い方・例文
昇進に落ちたとき「しばらく立ち直れないだろう」と感じても、数週間後には意外とケロリとしている、という経験が免疫の無視の典型的なパターンです。
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