人的資本論とは?
じんてきしほんろん
人的資本論とは、教育や訓練によって蓄積された人間の知識・技能を「資本」として経済的に捉える理論です。
人的資本論(じんてきしほんろん)は、人間が習得した知識・技能・健康などを物的資本と同様の「資本」として位置づけ、その蓄積が個人の生産性や賃金、さらには国全体の経済成長に影響を与えると主張する経済理論です。
この考え方を体系化したのは主にシカゴ学派の経済学者であり、ゲイリー・ベッカーやセオドア・シュルツらが中心的な役割を果たしました。シュルツは農業経済の研究を通じて教育投資の重要性を指摘し、ベッカーは個人レベルの教育・訓練投資を費用便益分析の枠組みで定式化しました。
人的資本は主に次のような形で蓄積されます。
- 学校教育(義務教育・高等教育)
- 職業訓練・OJT(職場内訓練)
- 健康投資(医療・栄養)
- 移住による労働市場へのアクセス向上
この理論の意義は、賃金格差や経済成長の説明に新たな視点をもたらした点にあります。高学歴者が高賃金を得やすいのは、教育を通じた生産性向上の結果と解釈されます。また国家レベルでは、教育への公的投資が将来の経済成長を促すという政策的含意を持ちます。現代では「人材育成」や「リスキリング」の議論にも人的資本論の視点が活用されています。
使い方・例文
企業が従業員に研修を実施するのは、人的資本への投資と見なせます。個人が大学院に進学して専門知識を深めることも、将来の賃金上昇を期待した人的資本投資の典型例です。
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