井戸茶碗とは?
いどちゃわん
朝鮮半島で生まれた陶磁器を日本の茶人が茶碗として珍重したもので、侘び茶の文化を象徴する名品として知られます。
井戸茶碗とは、主に朝鮮時代(14〜19世紀)に朝鮮半島で焼かれた高麗系の陶磁器を、日本の茶人たちが茶道具として見立て・珍重するようになったものです。もともとは朝鮮の日常雑器として作られたものが多く、そのおおらかな造形と土物ならではの温かみが日本の侘び茶の美意識と合致したために「名碗」として評価されるようになりました。
井戸茶碗の代表的な特徴は次のとおりです。
- 枇杷(びわ)色や黄土色を帯びた釉薬の色調
- 高台(こうだい)周辺に放射状に走る「梅花皮(かいらぎ)」と呼ばれる釉薬の縮れ
- やや大振りで手に馴染む丸みのある形状
- 使い込むことで変化する「景色」の美しさ
「井戸」という名称の由来については諸説あり、高台の形が井戸の枠に似ているという説、朝鮮の「伊土(イド)」という地名に由来するという説などがあります。大井戸・小井戸・青井戸・井戸脇などの種類に分類され、なかでも「喜左衛門井戸」(孤篷庵所蔵)は国宝に指定された最高位の名碗として茶道史に名を刻んでいます。
茶道、特に千利休以降の侘び茶の世界において、井戸茶碗は「見立て」の美学を体現する存在として今日も高く評価されています。
使い方・例文
茶道の稽古や茶会で先生が「これは井戸茶碗の写しです」と説明しながら手渡す場面や、博物館の茶道具展示室で解説文に登場する場面が典型的です。
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