不完全終止とは?
ふかんぜんしゅうし
不完全終止とは、和声進行の終止形のうち、属和音(V)から主和音(I)へ解決するものの、旋律の最高音が主音以外の音で終わったり、主和音が転回形になったりすることで終止感が弱まった形を指します。
音楽理論において終止(cadence)とは、楽句や楽節の区切りに使われる和声進行のパターンです。終止にはいくつかの種類があり、その中で完全終止(perfect authentic cadence)はV→Iの進行で旋律が主音に到達し、かつ主和音が根音位置にある最も強い終止感を持つ形です。
これに対して不完全終止(imperfect authentic cadence)は、V→Iという和声進行は行われるものの、以下のいずれかの条件により終止感が弱まっているものを指します。
- 旋律の最高音が主音(ルート)ではなく、3度音や5度音で終わる
- 主和音(I)が根音位置ではなく第一転回形や第二転回形になっている
- 属和音がVではなくV7(属七和音)や導音三和音(vii°)の形をとっている
不完全終止は完結感を意図的に弱めることで、楽曲の流れを次の楽節へとつなぎやすくする機能を持ちます。楽節の途中や、フレーズが続くことを示したい箇所に多く用いられます。完全終止と不完全終止の使い分けは、楽曲の呼吸・構造を形成する重要な要素であり、和声法の学習においても基礎的な分析対象となります。
使い方・例文
ソナタの第一主題が初めて提示される楽節の末尾に不完全終止が置かれると、音楽はそこで一息つきながらも次の展開へ続く印象を与える。
この用語をシェア
最終更新: