本文へスキップ

ラス・カサス告発とは?

らすかさすこくはつ

ラス・カサス告発とは、スペインの聖職者バルトロメ・デ・ラス・カサスが16世紀に行ったスペインによる先住民虐待の告発活動で、植民地支配批判の先駆けとして知られます。

バルトロメ・デ・ラス・カサス(1484〜1566年)は、スペイン出身のドミニコ会修道士・神学者です。若くして新大陸に渡り、エンコミエンダ制(植民者が先住民を強制労働させる制度)のもとで行われる苛烈な搾取と虐殺を目撃し、深く回心しました。

ラス・カサスはスペイン本国に何度も帰国して国王議会に訴えるとともに、精力的な著述活動を行いました。なかでも1542年に完成した「インディアスの破壊についての簡潔な報告は、征服者たちによる先住民への残虐行為を詳細かつ告発的に記録したもので、スペイン・ヨーロッパ各地で広く読まれ大きな衝撃を与えました。

彼の活動が及ぼした影響は次のように整理できます。

  • 1542年の新法(ヌエバス・レイェス)の制定につながり、先住民の奴隷化を禁止する条項が盛り込まれた
  • バリャドリード論争(1550〜51年)でフアン・ヒネス・デ・セプルベダと論争し、先住民の人格と権利を神学的に擁護した
  • 近代的な人権思想・国際法の萌芽に大きな影響を与えた

一方で、ラス・カサスはアフリカ人奴隷の導入を一時容認していたという批判もあり、歴史的評価は複雑です。それでも彼の告発活動は、植民地主義に対する最初の組織的・倫理的批判として、現代の人権思想の原点の一つに位置づけられています。

使い方・例文

世界史の植民地主義・人権史の授業や、スペインによる中南米征服(コンキスタ)を扱う文脈で登場します。「ラス・カサスの告発がエンコミエンダ制の廃止を促した」という形で引用されることが多い表現です。

この用語をシェア

𝕏 でポスト LINE

最終更新:

関連用語