エンコミエンダ制とは?
えんこみえんだせい
エンコミエンダ制とは、スペインによるアメリカ大陸植民地支配で導入された、先住民を入植者に委託して労働・納税させる制度です。
エンコミエンダ制(Encomienda)は、16世紀以降にスペインがアメリカ大陸の植民地で採用した統治・労働制度です。スペイン国王が征服者(コンキスタドール)や入植者(エンコメンデロ)に対して、一定数の先住民(インディオ)を「委託(エンコミエンダ)」し、その労働力や貢納を徴収する権利を与えるものでした。
制度の建前としては、エンコメンデロが先住民にキリスト教を布教し保護する義務を負う代わりに、先住民は労働・物品の納付義務を果たすとされていました。しかし実態は過酷な強制労働に等しく、鉱山や農園での重労働・疫病・食料不足などによって先住民人口が急激に減少する一因となりました。
この制度に対しては植民地内外から批判も起きました。
- ドミニコ会修道士バルトロメ・デ・ラス・カサスらが先住民の権利保護を訴え、スペイン王室への告発を行った。
- 1542年に「新法」が制定され、エンコミエンダの世襲や新規付与が制限されるようになった。
- その後、ミタ制(強制的な輪番労働制)など別の形態の強制労働に移行した。
エンコミエンダ制は植民地支配の象徴的な制度として、ラテンアメリカの社会構造・土地所有・人種関係に長く影響を及ぼしました。今日でも中南米諸国の歴史研究において重要なテーマのひとつです。
使い方・例文
ラテンアメリカ史の教科書でスペインの植民地支配の仕組みを学ぶ際に、エンコミエンダ制は必ず取り上げられる制度です。
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