モルニア軌道とは?
もるにやこどう
モルニア軌道とは、高緯度地域をカバーするために使われる、楕円形の特殊な人工衛星軌道のことです。
モルニア軌道(モルニヤ軌道)とは、地球を周回する人工衛星が描く軌道の一種で、遠点(最も遠い点)が北半球の高緯度上空に位置するよう設計された高度な楕円軌道です。近点の高度は約500km程度と低い一方、遠点は約40,000kmにも達します。
この軌道の最大の特徴は、衛星が遠点付近でゆっくりと移動する性質にあります。軌道の法則(ケプラーの第二法則)により、遠点付近では速度が遅くなるため、衛星は1周の約8時間を高緯度上空で過ごします。傾斜角は約63.4度に設定されており、これは軌道の近地点が回転しない「凍結軌道」を実現する特別な角度です。
モルニア軌道が特に有用な理由は、静止軌道の弱点を補える点にあります。静止軌道衛星は赤道上空に固定されるため、北緯60度以上の高緯度地域では仰角が低くなり、通信品質が著しく低下します。モルニア軌道を使えば、シベリアやアラスカなど高緯度地域でも安定した衛星通信が可能になります。
旧ソビエト連邦が1960年代に開発し、通信衛星「モルニア(稲妻の意)」シリーズに初めて使用したことからこの名前がついています。現代でもロシアの通信・気象衛星などに活用されています。
使い方・例文
北極圏近くの観測基地やロシア北部の通信インフラを語る場面で登場します。たとえば「モルニア軌道衛星を3機運用することで、高緯度地域への途切れない通信サービスを24時間提供する」のように使われます。
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