マクスウェル・ボルツマン分布とは?
まくすうぇる・ぼるつまんぶんぷ
気体分子が持つ速さ(速度の大きさ)の統計的な分布を表す、熱力学・統計力学の基本法則です。
マクスウェル・ボルツマン分布とは、熱平衡状態にある理想気体の分子が、それぞれどのような速さで運動しているかを確率的に表した分布則です。19世紀にジェームズ・クラーク・マクスウェルとルートヴィヒ・ボルツマンによって導出されました。
気体分子は一定温度のもとで均一な速さで動いているわけではなく、衝突を繰り返しながら多様な速さを持ちます。この分布は釣り鐘型に近い非対称な曲線を描き、最も多くの分子が持つ「最確速度」、分子の平均速さである「平均速度」、運動エネルギーの計算に使われる「二乗平均平方根速度」という三つの代表値で特徴づけられます。
温度が高くなると分布曲線は右へ広がり、高速の分子の割合が増えます。逆に温度が低ければ分布は鋭く絞られ、低速側に集中します。また、分子量が小さい気体(水素など)は同温度でも高速の分子が多く、重い気体(二酸化炭素など)は遅い分子が多くなります。
この分布は化学反応速度論とも深く結びついており、活性化エネルギーを超えた高速分子のみが反応できるというアレニウス則の基礎となっています。現代の気体力学・熱力学・量子統計など幅広い分野で不可欠な概念です。
使い方・例文
たとえば室温の窒素ガスでは、分子の大半は毎秒300〜600メートル程度の速さで飛び交っており、マクスウェル・ボルツマン分布を用いることでその割合を正確に計算できます。
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