ポール・ナースとは?
ぽーるなーす
ポール・ナースは、細胞分裂のサイクルを制御する鍵タンパク質(CDK)の機能を解明し、2001年にノーベル生理学・医学賞を受賞したイギリスの遺伝学者・細胞生物学者です。
サー・ポール・マクシム・ナース(Sir Paul Maxime Nurse、1949年〜)は、イギリス生まれの遺伝学者・細胞生物学者で、細胞周期研究の第一人者です。現在はフランシス・クリック研究所の初代所長を務めており、科学行政においても重要な役割を果たしています。
ナースの最大の功績は、細胞が増殖する際に必須の「細胞周期」を制御する分子機構の解明です。分裂酵母(Schizosaccharomyces pombe)を使った遺伝学的解析により、細胞がG2期からM期(分裂期)に移行するタイミングを決定する遺伝子cdc2を発見・同定しました。さらにこの遺伝子産物がヒトのCDK1(サイクリン依存性キナーゼ1)と同一であることを示し、細胞周期制御機構が酵母からヒトまで高度に保存されていることを明らかにしました。
この研究は、がん細胞が制御なく増殖するメカニズムの理解や、がん治療薬の開発に直接つながるものです。CDKを標的とした抗がん剤は実際に臨床でも使われており、ナースの発見は基礎研究から応用へと橋渡しされています。
- 分裂酵母を使った細胞周期の遺伝学的解析
- cdc2遺伝子(CDK1)の発見と機能解明
- リーランド・ハートウェル、ティム・ハントとともに2001年ノーベル生理学・医学賞を受賞
- ロイヤル・ソサエティ会長、フランシス・クリック研究所所長を歴任
使い方・例文
がん研究の文脈で「CDK阻害剤」が話題になる際、その基礎理論を作った科学者としてポール・ナースの名前が挙がります。
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