ベックマン転位とは?
べっくまんてんい
ベックマン転位とは、オキシムが酸触媒の存在下でアミド(ラクタム)に変換される有機化学の反応で、カプロラクタム合成などに工業的に利用されます。
ベックマン転位は、1886年にドイツの化学者エルンスト・オットー・ベックマンが発見した有機化合物の転位反応です。ケトンやアルデヒドから誘導されるオキシム(C=N-OH)が、硫酸などの酸触媒や五塩化リンの作用を受けてアミド(ラクタム)に変換されます。
反応機構としては、まずオキシムのヒドロキシル基がプロトン化されて脱離基となり、アンチ位の置換基が窒素原子へと移動(転位)します。これによりニトリリウムイオン中間体が生成し、水が付加してアミドが得られます。転位する基はオキシムのヒドロキシ基に対してアンチ位にある置換基であることが立体的に規定されており、この立体特異性が反応の重要な特徴です。
工業的には特に重要な用途があります。
- シクロヘキサノンオキシムからカプロラクタムを合成する工程(ナイロン6の原料製造)
- 環状ケトンのオキシムからラクタムを得る工程全般
- 有機合成における官能基変換の手段
ナイロン6(ポリカプロラクタム)は繊維・プラスチック材料として世界中で大量生産されており、ベックマン転位はその製造プロセスの核心を担う工業的に極めて重要な反応です。
使い方・例文
化学の授業では転位反応の代表例として登場し、工業的にはナイロン原料であるカプロラクタムの製造工程で実際に用いられている反応です。
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