ベスとは?
べす
ベスとは、古代エジプト神話に登場する矮小な姿の神で、家庭・出産・子ども・魔除けを守る存在として民衆に広く崇拝されました。
ベス(Bes)は、古代エジプトで信仰された家庭・出産・子ども・魔除けの守護神です。他のエジプト神が横顔(側面)で描かれるのに対し、ベスは正面向きの姿で描かれる珍しい神格であり、ライオンを思わせる鬣や牙、獣皮をまとった矮小(小人)な姿が特徴的です。
ベスの起源については諸説あり、サブサハラ・アフリカ(特にヌビアや中央アフリカ)由来の神が取り込まれたという説が有力です。エジプトでは少なくとも中王国時代(前2000年頃)から信仰の記録が残り、新王国時代以降に特に普及しました。
ベスが司る役割の主なものは以下のとおりです。
- 出産の守護:産室に悪霊が侵入するのを防ぎ、安産をもたらす
- 乳幼児の保護:子どもをあやし、邪悪な存在から守る
- 家庭の魔除け:家の守護神として置物・タトゥー・アミュレットに刻まれた
- 戦士としての側面:剣や楯を持ち戦う姿でも描かれる
ベスの像やアミュレットはエジプト国内にとどまらず、フェニキア・キプロス・ギリシアなど地中海世界にも広まりました。ローマ時代にはミトラス信仰と融合するなど、文化圏を超えて長きにわたり信仰された普遍的な守護神です。
使い方・例文
古代エジプトの家庭では、ベスの彫像や護符を産室や子ども部屋に置いて悪霊除けとする習慣がありました。現代でも博物館の展示でベスの正面向きの独特な像はひときわ目を引きます。
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