ベクトル空間とは?
べくとるくうかん
ベクトル空間とは、スカラー倍と加法の演算が定義され、一定の公理を満たす元の集合であり、線形代数の基礎をなす数学的構造です。
ベクトル空間(vector space)とは、スカラー(実数または複素数などの体の元)によるスカラー倍と、要素間の加法が定義された集合であり、これらの演算が特定の公理系を満たすものです。ベクトル空間の要素をベクトルと呼びます。
ベクトル空間が満たすべき主な公理には以下のものがあります。
- 加法の結合律・交換律
- 零ベクトル(加法単位元)の存在
- 各元に対する加法逆元の存在
- スカラー倍の分配律・結合律
- スカラー単位元(1)によるスカラー倍は元を変えない
具体的な例として、実数の組からなるn次元ユークリッド空間(Rⁿ)が最も典型的です。2次元平面や3次元空間はそれぞれR²・R³として表せます。多項式全体の集合や連続関数の集合も、適切に演算を定義すればベクトル空間になります。
ベクトル空間の概念は、線形独立・基底・次元・線形写像といった線形代数の核心的な概念を定式化するための土台です。物理学・工学・コンピュータサイエンスの広い分野で応用され、機械学習における特徴空間やニューラルネットワークの解析にも欠かせない概念です。
使い方・例文
高校数学で学ぶ「矢印のベクトル」はR²やR³のベクトル空間の元であり、大学数学ではさらに抽象化した一般のベクトル空間として学びます。
この用語をシェア
最終更新: