プリオンとは?
ぷりおん
プリオンとは、正常なタンパク質が異常な構造に折り畳まれた感染性粒子で、脳に深刻なダメージを与える致死的な疾患を引き起こします。
プリオン(Prion)とは、「タンパク質性感染粒子(Proteinaceous Infectious particle)」を略した造語で、核酸(DNAやRNA)を持たずにタンパク質のみで感染性を示す特殊な粒子です。1982年にスタンリー・プルシナーによって提唱された概念で、後にプルシナーはノーベル生理学・医学賞を受賞しました。
正常なプリオンタンパク質(PrPᶜ)は脳や神経系の細胞に広く存在し、正常な生理機能に関与しています。しかし、何らかの原因でタンパク質の立体構造が異常な形(PrPˢᶜ)に変換されると、周囲の正常なタンパク質を次々と異常型に変えていく連鎖反応が起こります。この異常型タンパク質は凝集して神経細胞を破壊し、脳にスポンジ状の空洞を生じさせます。
プリオン病の代表例は以下の通りです。
- クロイツフェルト・ヤコブ病(CJD):ヒトに発症する孤発性・遺伝性・感染性の疾患
- 変異型CJD(vCJD):牛海綿状脳症(BSE、いわゆる狂牛病)に関連する感染型
- ゲルストマン・ストロイスラー・シャインカー症候群(GSS):遺伝性の希少疾患
- スクレイピー:ヒツジに発症するプリオン病
プリオンは通常の滅菌法(高温・紫外線・化学消毒)に対して非常に強い耐性を持ち、感染対策が難しい点が公衆衛生上の課題です。現時点では有効な治療法はなく、研究が進められています。
使い方・例文
1990年代にイギリスでBSE(狂牛病)に感染した牛の肉を食べたことが原因で変異型クロイツフェルト・ヤコブ病が発生し、プリオンが広く社会に知られるようになりました。
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