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フォノンとは?

ふぉのん

フォノンとは、固体中の原子の集団的な振動エネルギーを量子化した粒子的な概念で、熱や音の伝導を理解するうえで重要な準粒子です。

フォノン(phonon)とは、結晶固体の格子を構成する原子イオンが集団的に振動する際の振動モードを量子力学的に扱ったときに現れる「準粒子(quasi-particle)」です。電磁波の量子が光子(フォトン)であるように、格子振動の量子をフォノンと呼びます。

固体の格子では、ある原子の変位が隣接原子を引き連れて伝播する集団的振動が生じます。この振動波は量子力学の枠組みでは調和振動子と見なせ、エネルギーはħω(ħ:換算プランク定数、ω:振動数)の整数倍に量子化されます。フォノンはこの量子化された振動エネルギーの単位(1量子)に相当します。

フォノンには大きく二種類あります。

  • 音響フォノン:隣接原子が同じ方向に変位する振動モード。音波(弾性波)の伝播と密接に関係します。
  • 光学フォノン:単位格子内の原子が互いに逆方向に振動するモード。赤外線と強く相互作用します。

フォノンは固体物性の多くの現象に深く関わっています。

  • 熱伝導:絶縁体や半導体では熱エネルギーの主な担い手がフォノンです。
  • 比熱:デバイモデルやアインシュタインモデルはフォノンの観点から比熱を説明します。
  • 超伝導:従来型(BCS型)超伝導では電子とフォノンの相互作用が電子対(クーパー対)の形成を媒介します。
  • 電子移動度:半導体中でのフォノン散乱がキャリアの移動を妨げ、電気抵抗の原因になります。

フォノンの制御はサーモエレクトリクス(熱電変換)や熱管理材料の設計に直結しており、ナノテクノロジーの進展とともにフォノニクスという新分野が生まれています。

使い方・例文

ダイヤモンドの熱伝導率が極めて高いのはフォノンが効率よく伝播するためであり、半導体デバイスの放熱材料としてダイヤモンドが注目される背景にはフォノンの特性があります。

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