ビルドゥングスロマンとは?
びるどぅんぐすろまん
ビルドゥングスロマンとは、主人公が若い時代から経験を重ねて精神的・道徳的に成長する過程を描く小説ジャンルです。
ビルドゥングスロマン(Bildungsroman)はドイツ語で「形成・教育(Bildung)」と「小説(Roman)」を組み合わせた語で、「教養小説」とも訳されます。18世紀後半のドイツ文学に源を持ち、主人公が少年・青年時代から様々な試練・出会い・挫折を通じて人格的に成熟していく過程を中心軸に据えた物語形式です。
ジャンルの原型とされるのはゲーテの「ヴィルヘルム・マイスターの修業時代」(1795〜96年)です。その後、ディケンズの「デイヴィッド・コパフィールド」、シャーロット・ブロンテの「ジェーン・エア」、トーマス・マンの「魔の山」などが代表作として挙げられます。日本文学では夏目漱石の「こころ」や太宰治の「人間失格」にもその要素が見られます。
ビルドゥングスロマンに共通する構造的要素は次のとおりです。
- 幼少期または青年期の主人公が故郷や安定した環境を離れる
- 社会・恋愛・仕事・思想など多面的な経験を通じて自己を発見する
- 失敗や葛藤を乗り越えて価値観が形成される
- 社会との和解・統合、あるいは自己確立によって物語が収束する
現代でもハリー・ポッターシリーズや「ライ麦畑でつかまえて」などがこの系譜に連なります。人間の成長という普遍的テーマを持つため、時代や文化を超えて読み継がれる強靭なジャンルです。
使い方・例文
「この作品は主人公の少年時代から青年期までの自己形成を描いた典型的なビルドゥングスロマンだ」のように、成長物語を指して使われます。
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