パンドラの壺とは?
ぱんどらのつぼ
パンドラの壺とは、ギリシャ神話に登場する容器で、開けることで世界にあらゆる災いと希望が放たれたとされる物語の核心的なアイテムです。
パンドラの壺(ピトス)は、古代ギリシャ神話においてヘシオドスが伝える神話に登場します。神々によって創られた最初の人間の女性パンドラが地上に送られる際、決して開けてはならないと言われた容器(壺)を持たされました。
好奇心に勝てなかったパンドラが壺の蓋を開けると、中に封じられていた疫病・老い・苦しみ・罪悪など人間を苦しめるあらゆる災いが飛び出し、世界に広まってしまいました。慌てて蓋をした後、壺の中にただひとつ残ったのが「エルピス(希望)」であったとされています。
注意すべき点として、原典であるヘシオドスの『仕事と日々』では「ピトス(大型の甕・壺)」と記されていましたが、後の時代にエラスムスが翻訳した際に「箱(ピュクシス)」と誤訳したことで、英語圏では長らく「パンドラの箱」として広まりました。現在は原典に忠実に「壺」と呼ぶ表現が定着しつつあります。
この神話は人類の苦難の起源を説明すると同時に、最後に残る「希望」の重要性を語る物語として、西洋文化・哲学・文学に大きな影響を与えてきました。「開けてはならないものを開けてしまう」という構造は現代のフィクションでも繰り返し参照されます。
使い方・例文
「好奇心が取り返しのつかない結果を招く」という教訓を示す文脈や、解決困難な問題が次々と生じる状況を「パンドラの壺を開けてしまった」と比喩的に表現する場面で登場します。
この用語をシェア
最終更新: