パリノードとは?
ぱりのーど
パリノードとは、かつて自分が述べた意見や主張を公式に撤回・否定する詩や文章のことで、自己弁駁を目的とした文学的形式です。
パリノード(Palinode)は古代ギリシャ語の「παλινῳδία(palinōdía)」に由来し、「逆の歌」「撤回の歌」を意味します。自身の以前の作品や発言の内容を公に否定・撤回するために書かれた詩文、またはその行為そのものを指す文学用語です。
パリノードの起源として有名なのは、古代ギリシャの叙情詩人ステシコロスの逸話です。彼はトロイア戦争を引き起こしたとされるヘレネーを非難する詩を書いた後、視力を失い、ヘレネーへの非難を撤回する「パリノード」を書いたところ視力が回復したと伝えられています。この故事が「パリノード」という概念の原型となりました。
文学史においては、プラトンの対話篇「パイドロス」の中でソクラテスが愛についての前の発言を撤回する場面もパリノードとして知られています。中世やルネサンス期の詩人たちも、恋愛詩の後に愛の幻想を否定するパリノードを書く慣行がありました。
現代においては、パリノードは文学的形式としてよりも、「過去の主張を公に撤回する行為」という比喩的な意味で使われることもあります。自己批判・再考・訂正の誠実さを示す行為として、修辞学・文学批評・思想史の文脈で論じられます。
使い方・例文
文学研究の場では、ある詩人が初期作品の主張を後の作品で否定した場合、その後期作品をパリノードとして分析することがあります。
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