ニコライ・レスコフとは?
にこらいれすこふ
ニコライ・レスコフとは、19世紀ロシアの小説家で、民衆の言葉や宗教・風俗を生き生きと描いた独自の語り口(スカース)で知られ、『鋼鉄蚤』や『ムツェンスク郡のマクベス夫人』などが代表作です。
ニコライ・レスコフ(Nikolai Leskov、1831〜1895年)は、ロシアの小説家・ジャーナリストです。トルストイやドストエフスキーと同時代に活躍しながら、長らく過小評価されてきましたが、20世紀以降その独自性が再評価され、ロシア文学の重要な作家として広く認識されています。
レスコフの最大の特徴は「スカース」と呼ばれる語り口です。スカースとは、語り手の個性的な方言・職業用語・教会スラヴ語・外来語などを巧みに混在させた独特の文体であり、読者はあたかも生身の人物から直接話を聞いているような臨場感を得られます。この技法はロシア文学史において際立って独自のものです。
主な作品は以下のとおりです。
- 『ムツェンスク郡のマクベス夫人』(1865年)—情欲に駆られた女性の犯罪を描いた中編。のちにショスタコーヴィチがオペラ化
- 『鋼鉄蚤』(レフシャ、1881年)—イギリス製の鋼鉄蚤に蹄鉄を打つロシアの職人を描いた寓話的短編
- 『聖者伝』シリーズ—ロシア正教の伝統的人物像を民衆的観点から描いた連作
レスコフはロシアの宗教・農民・官僚制度に対する鋭い批評眼を持ちながら、人間への温かいまなざしも失わなかった作家です。トルストイは晩年レスコフを最も優れたロシア作家のひとりと称えました。
使い方・例文
ロシア文学の研究書や19世紀ロシア小説の解説でレスコフが取り上げられるほか、ショスタコーヴィチのオペラを解説する文脈でも彼の原作小説への言及があります。
この用語をシェア
最終更新: