ナーテックスとは?
なーてっくす
ナーテックスとは、初期キリスト教やビザンティン建築の教会堂において、身廊の西端に設けられた前室・玄関廊のことです。
ナーテックス(narthex)は、キリスト教教会建築における前室(ぜんしつ)・玄関廊のことです。身廊(ネイブ)の西側入口前に横方向に設けられた空間で、信徒が礼拝堂本体に入る前に通過する場所です。語源はギリシャ語で「葦の茎・入れ物」を意味する言葉とされます。
初期キリスト教時代(3〜6世紀)には、洗礼を受けていない者(求道者・懺悔者など)はミサの全過程に参加することが許されず、ナーテックスで礼拝の一部を聴聞するにとどめられました。このため、ナーテックスは信仰者と未洗礼者を空間的に区別する機能を果たしていました。
建築的には2種類に区別されます。
- 内陣廊(インナー・ナーテックス):建物内部に組み込まれた前室。
- 外廊(エクソナーテックス):建物外部に設けられた屋根付きの列柱廊。
ビザンティン建築ではナーテックスが発達し、壁面にモザイク画が施される場合もあります。ハギア・ソフィア(イスタンブール)のナーテックスは広大で、精巧なモザイクで飾られています。中世西欧のロマネスク・ゴシック建築でも前室として残りましたが、礼拝慣行の変化とともにその意味は変わっていきました。
使い方・例文
「観光でハギア・ソフィアを訪れると、まずナーテックスを通ってから広大な主空間へと入る動線になっている」という場面で登場します。教会建築の構造を説明する際に、玄関廊・前室を指す専門用語として使われます。
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