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ドイツ増六和音とは?

どいつぞうろくわおん

ドイツ増六和音とは、増六和音の一種で4音構成を持ち、完全5度を含む響きが属7和音に似ているため解決前に独特の緊張感を生み出す和音です。

ドイツ増六和音(German augmented sixth chord)は、増六和音(augmented sixth chord)の三種類(イタリアフランス・ドイツ)のうち最も複雑な4音構成を持つ和音です。イタリア増六和音の3音(ラ♭・ド・ファ♯)に完全5度上の音(ミ♭)を加えた4音(Ab・C・Eb・F♯)で構成されます。

ドイツ増六和音の最大の特徴は、その構成音が属7和音(dominant 7th chord)と異名同音の関係になることです。たとえばハ長調のドイツ増六和音(Ab・C・Eb・F♯)は、変ト長調(Db major)の属7和音(Ab・C・Eb・Gb=F♯)と同じ音を持ちます。この性質から、調性をあいまいにしてから解決する「エンハーモニック転調」の手がかりとして作曲家が巧みに利用しました。

ドイツ増六和音の主な特徴は次の通りです。

  • 4音構成で最も豊かな響きを持つ増六和音
  • 属7和音との異名同音関係を利用した転調(エンハーモニック転調)が可能
  • 解決時に平行5度が生じやすいため声部進行に工夫が必要
  • ロマン派音楽で特に好まれた色彩的な和音
ベートーヴェン、シューベルト、ワーグナーなどのロマン派作曲家がこの和音を多用し、劇的な効果や予期しない転調に活用しました。

使い方・例文

ロマン派のピアノ曲や交響曲で転調の直前や劇的なクライマックス前に現れることが多く、聴き手に「どこへ向かうのか」という緊張感を与える場面で登場します。

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