トランスポゾンとは?
とらんすぽぞん
トランスポゾンとは、ゲノム上のある位置から別の位置へと自ら移動(転位)できるDNA配列で、「動く遺伝子」とも呼ばれます。
トランスポゾン(transposon)は、生物のゲノム内で自律的に位置を変えることができる遺伝因子です。1950年代にトウモロコシの色素遺伝子の研究を行ったバーバラ・マクリントックが発見し、のちにノーベル生理学・医学賞を受賞した業績として知られています。
トランスポゾンは大きく2つのタイプに分類されます。
- クラスI(レトロトランスポゾン):RNA経由で複製される「コピーアンドペースト」型。元の配列を残しながら新しい場所に挿入されるため、ゲノム中に増殖します。
- クラスII(DNAトランスポゾン):DNAとして直接切り出されて新しい場所に挿入される「カットアンドペースト」型。
ヒトゲノムの約45%はトランスポゾン由来の配列で占めると推定されており、ゲノムの大部分を形成してきた重要な要素です。遺伝子の発現制御や進化の多様性に寄与する一方、がんや遺伝性疾患の原因になる場合もあります。また、人工的なトランスポゾンシステムは遺伝子工学や遺伝子治療の研究ツールとしても活用されています。
使い方・例文
トランスポゾンは、遺伝学・分子生物学の教科書や研究論文で「ゲノムの流動性」や「遺伝子発現の変動」を説明する文脈でよく登場します。また、農業分野では作物の品種改良における遺伝的変異の仕組みを理解するうえで重要な概念として扱われます。
この用語をシェア
最終更新: