テンポ・ルバートとは?
てんぽるばーと
テンポ・ルバートとは、音楽演奏において楽譜のテンポを厳密に守らず、演奏者が自由に速さを変化させる表現技法です。
テンポ・ルバート(tempo rubato)は、イタリア語で「盗まれた時間」を意味する音楽用語で、演奏において拍の速さを規則的に保たず、ある音符を長く引き伸ばしたり、別の音符を短く切り詰めたりすることで、表情豊かな演奏を実現する技法です。
語源の「rubato(ルバート)」はイタリア語の動詞 rubare(盗む)の過去分詞で、「ある音符の時間を別の音符から盗む」というイメージに由来します。一部の音符で時間を借り、他の部分で返すことで全体としての拍感を保ちながら表情を加えるのが本来の意味ですが、現代では伴奏も含めて全体のテンポを自由に揺らす広義の用法も浸透しています。
テンポ・ルバートが特に重要な意味を持つのはロマン派音楽の分野です。
- ショパンのピアノ曲では、テンポ・ルバートが演奏表現の中核とされている
- シューベルト、リスト、ブラームスなどの作品でも頻繁に用いられる
- 声楽やオペラでも、歌手が歌詞の感情に合わせてテンポを揺らす場面で活用される
テンポ・ルバートを効果的に使うには、音楽の流れを深く理解し、聴衆が「自然に感じる」範囲でテンポを操る感覚が求められます。過度に使うと音楽の骨格が崩れるため、演奏者の経験と感性が問われる高度な表現技法です。
使い方・例文
ショパンのノクターンを演奏する際、旋律の山場でテンポをわずかに緩めて聴かせる部分がテンポ・ルバートの典型的な使い方です。
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