テトラヒドロフランとは?
てとらひどろふらん
テトラヒドロフランとは、酸素原子を一つ含む五員環構造の有機化合物で、多くの有機物を溶かす能力が高く実験室や工業で広く使われる有機溶媒です。
テトラヒドロフラン(英: tetrahydrofuran、略称: THF)は、分子式 C₄H₈O で表される環状エーテルの一種です。フラン環を完全に水素化した構造をもち、無色透明の揮発性液体で、エーテル様の特有の甘い臭気があります。常温常圧での沸点は約66°Cです。
THFの最大の特長は優れた溶解力と水との混和性を兼ね備えている点です。無極性の有機化合物から極性の高いポリマー材料まで幅広く溶解でき、かつ水にも任意の割合で混ざります。この性質から次のような用途で使われます。
- 有機合成の溶媒:グリニャール反応やリチウム試薬を用いる反応などに広く使用される
- ポリマー加工:PVCやポリウレタンなどの溶解・成形加工
- 接着剤・塗料:塩化ビニル管の接着剤の溶媒として使用される
- クロマトグラフィー:移動相溶媒として分析化学で利用
一方で取り扱いには注意が必要です。THFは非常に引火性が高く(引火点は約−14°C)、長期保存中に空気中の酸素と反応して爆発性のある過酸化物を生成する危険性があります。このため保存容器には酸化防止剤(BHTなど)が添加されており、古い試薬の使用前には過酸化物の検査が不可欠です。また揮発性と毒性から、使用時は必ずドラフトチャンバー(換気設備)内で作業します。
使い方・例文
有機化学の実験室では、水分に敏感なグリニャール試薬の合成にTHFが溶媒として頻繁に使われており、試薬の安定性と反応効率の高さから定番の溶媒となっています。
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