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スピノザのコナトゥスとは?

すぴのざのこなとぅす

スピノザが提唱した、あらゆる存在が自己を維持しようとする根本的な力のことです。

コナトゥス(conatus)とは、17世紀オランダ哲学バルーフ・デ・スピノザが主著『エチカ』の中で展開した概念で、「あらゆる物が自己の存在に固執しようとする努力・傾向」を指します。ラテン語で「努力」「衝動」を意味するこの語は、スピノザ哲学の中核をなす原理です。

スピノザによれば、自然界に存在するすべてのものは、その本質として「自己を保存しようとする力」を内包しています。人間においては、この力が精神と身体の両面に現れます。精神における表れは「意志」と呼ばれ、身体における表れは「欲望」と称されます。つまりコナトゥスは、人間の意欲や欲求の根源的な説明原理でもあります。

この概念の特筆すべき点は、従来のキリスト教道徳が「欲望を抑制すること」を善とみなしていたのに対し、スピノザが「自己保存の努力(コナトゥス)を肯定すること」こそが存在の本質だと論じた点にあります。これは当時の神学的・道徳的常識に対する大きな挑戦でした。

コナトゥスの概念はその後の思想史にも大きな影響を与えました。ライプニッツの「モナド」やニーチェの「力への意志」、さらには現代の生命科学における自己組織化の概念とも通底するとされています。現代哲学や政治哲学においても、自己保存・欲望・権力といったテーマを論じる際にしばしば参照される重要な概念です。

使い方・例文

「人間が危険から逃れようとしたり、食事をとって生命を維持しようとしたりする行動は、スピノザのコナトゥスの発現として説明できる」という形で哲学の授業や論文で引用されます。

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