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ステンマとは?

すてんま

テンマとは、複数写本(テキスト)の親子・系統関係を樹形図で示した図表で、文献学において原典(アーキタイプ)を復元するための基礎的な分析ツールです。

テンマ(stemma、複数形:stemmata)は、ラテン語で「家系図・花輪」を意味する語に由来し、文献学(テキス批評)における写本系統樹のことを指します。現存するすべての写本が、どの写本を親として書き写されたかを分析し、その系統関係を樹形図(系譜図)として視覚化したものです。

ステンマの構築は「ステンマティクス(stemmatology)」と呼ばれる方法論によって行われます。手順としては、まず各写本に共通する誤りや特徴的な読み(独自異文・共有異文)を比較・分類し、複数の写本が同じ親写本から派生したと判断できる「共有誤謬(error significatif)」を特定します。次にこれらの証拠をもとに写本どうしの派生関係を図示します。

ステンマを用いることで、

  • 現存最古の写本が必ずしも最良のテキストとは限らないことの解明
  • 失われた中間写本(ハイポアーキタイプ)の存在の推定
  • 原典(アーキタイプ)に最も近いテキストの復元(校訂本作成)
が可能になります。19世紀のドイツ文献学者ラハマン(Karl Lachmann)が体系化した方法として知られ、古典文献・聖書・中世写本研究において基本的な手法です。

ただし、複数の写本を参照して書き写した「混交本」が存在すると単純な樹形図が描けず、現代では計量的・統計的手法も導入されています。

使い方・例文

ギリシャ古典やラテン語文献の校訂本(クリティカル・エディション)の序文や注記で「このステンマによれば…」と述べられる場面や、写本研究の論文で系統樹の図として掲載される際に登場します。

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