シュプレヒシュティンメとは?
しゅぷれひしゅてぃんめ
シュプレヒシュティンメとは、音の高さを指定しながらも歌唱ではなく語りに近い発声で表現する、近現代音楽特有の声楽技法です。
シュプレヒシュティンメ(Sprechstimme)はドイツ語で「話し声」を意味し、楽譜に音高が記されているにもかかわらず、通常の歌唱(サステイン)とは異なり音をすぐに上下にずらして語るような発声を行う技法です。「シュプレヒゲザング(Sprechgesang=話す歌)」とも呼ばれます。
この技法を最も体系的に用いたのはオーストリアの作曲家アルノルト・シェーンベルクで、1912年の「月に憑かれたピエロ(Pierrot lunaire)」においてシュプレヒシュティンメを全面的に採用しました。楽譜には通常の音符頭に×印を加えた特殊記号で指示されます。演奏者は指定された音高から発声を始めつつ、すぐに音をずり下げる(または上げる)ことで、歌と語りの中間の独特な効果を生み出します。
シュプレヒシュティンメの特徴と効果は次のとおりです。
- 超現実的・不安定な雰囲気を表現するのに適している
- テキストの自然な抑揚を保ちながら音楽的な音高輪郭を持たせられる
- 20世紀表現主義音楽の重要な語法として後続の作曲家に継承された
- ベルクの歌劇「ヴォツェック」「ルル」などにも応用された
現代でもミュージカルや実験的なパフォーマンスにおいてその影響が見られ、声楽の可能性を拡張した重要な技法として音楽史に位置づけられています。
使い方・例文
近現代声楽の演奏会プログラムで「このシェーンベルク作品はシュプレヒシュティンメで歌われるため、歌とも語りともつかない独特の表現が体験できます」と紹介されます。
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