コースの定理とは?
こーすのていり
「定理」の用語まとめを見るコースの定理とは、取引コストがゼロであれば財産権が誰に帰属するかにかかわらず交渉によって資源配分が効率的になるという経済学上の命題です。
コースの定理(Coase theorem)は、1960年に経済学者ロナルド・コース(Ronald Coase)が論文「社会的費用の問題」で示した命題です。コースはこの業績を含む法と経済学への貢献により、1991年にノーベル経済学賞を受賞しました。
定理の核心は次の通りです。取引コスト(交渉・情報収集・契約締結にかかるコスト)がゼロである場合、外部性(他者への影響)が存在しても、当事者間の自発的な交渉によって社会的に最適な資源配分が達成されるというものです。また、その最適配分は財産権(所有権)が誰に割り当てられているかに依存しません。
例えば工場の煙害問題を考えると、以下のように整理できます。
- 工場に「煙を出す権利」があっても、近隣住民に「清浄な空気の権利」があっても、交渉コストがゼロならば当事者は補償・取引を通じて同じ効率的な結果に至る
- ただし所得分配(誰が費用を負担するか)は権利の帰属によって異なる
現実には取引コストはゼロではないため、コースの定理は「取引コストが大きい場面では制度設計・法律・政府介入が重要になる」という含意を持ちます。法と経済学・環境経済学・規制理論の基礎として広く参照される重要な概念です。
使い方・例文
隣地の工場騒音で困っている住民が工場と直接交渉して補償を受け取り、互いに合意できた場合、コースの定理が示す自発的交渉による解決が実現したといえます。
この用語をシェア
最終更新: