ケルビン・ヘルムホルツ波状雲とは?
けるびんへるむほるつはじょううん
ケルビン・ヘルムホルツ波状雲とは、大気中の異なる速度の気流が接する境界面で生じる渦巻き状・波状の雲で、まるで大波が崩れるような形が特徴的です。
ケルビン・ヘルムホルツ波状雲(Kelvin-Helmholtz wave cloud)は、速度の異なる二つの流体層が接触する境界で生じる「ケルビン・ヘルムホルツ不安定性」が大気中で可視化された雲です。19世紀の物理学者ウィリアム・トムソン(ケルビン卿)とヘルマン・フォン・ヘルムホルツにちなんで命名されています。
この雲が形成されるメカニズムは次のとおりです。
- 上層と下層の空気が異なる速度(または方向)で流れている境界面が存在する
- 境界面に微小な乱れが生じると、速度差によって渦が成長する(ケルビン・ヘルムホルツ不安定性)
- 渦の部分で上昇する空気が冷却・凝結して雲となり、波の頂点が白く見える
- 崩れかけた大波(砕け波)を横から見たような形になる
この雲は非常に短命で、数分から10分程度で形が崩れることが多く、目撃できる機会は限られています。そのため、写真や動画に収めることができると希少な気象現象として注目されます。上空のジェット気流の境界付近でも同様の不安定性が生じており、航空機が感じる晴天乱気流(CAT)と同じ物理現象です。
気象学・流体力学の教科書で不安定性の典型例として紹介されるほか、木星の縞模様や太陽の磁気境界にも同じ現象が見られるとされ、宇宙物理学の分野でも研究されています。
使い方・例文
SNSの気象写真コミュニティや気象解説番組で、空に現れた規則正しい波状の雲を「ケルビン・ヘルムホルツ雲が出た」と紹介する際に登場します。
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