キネティック・アートとは?
きねてぃっく・あーと
キネティック・アートとは、実際に動く部品や光・空気などを使い、動きそのものを表現の核心に据えた現代美術の一分野です。
キネティック・アート(Kinetic Art、ギリシャ語の「kinesis=動き」に由来)は、作品が実際に物理的に動くことを表現の本質とする現代芸術の一形式です。モーター・風・磁力・光・水など様々な力を利用して作品自体が動き、観る者に時間的・空間的な体験をもたらします。
キネティック・アートの萌芽は1920年代にさかのぼります。ナウム・ガボやアントワーヌ・ペヴスナーが発表した「写実主義宣言」(1920年)で動きの概念が言及され、マルセル・デュシャンの「自転車の車輪」(1913年)もその先駆として位置づけられます。その後、1950〜60年代にかけてアレクサンダー・カルダーのモビール(バランスを保ちながら空気で揺れる吊り彫刻)がムーヴメントを大きく広め、ジャン・ティンゲリーの機械仕掛けの彫刻なども注目を集めました。
キネティック・アートの種類には次のようなものがあります。
- モビール:吊り下げられた要素が空気によって動く
- モーター駆動作品:電気モーターで動く彫刻・機械
- 光学的キネティクス:視覚的錯覚で「動いて見える」オプ・アートに近い形式
- インタラクティブ作品:観客の動作や環境変化に反応する作品
固定した静止作品が絵画・彫刻の主流だった時代に「時間と動きを素材にする」というキネティック・アートの発想は大きな革新でした。現代のメディア・アートやインスタレーションにも系譜が受け継がれています。
使い方・例文
美術館のエントランスで天井からゆっくり回転する彫刻や、光を反射しながら揺れる金属片の吊り作品を目にしたとき、それらはキネティック・アートの範疇に入ります。カルダーのモビールが最もよく知られた例です。
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