ガブリエル・マルセルとは?
がぶりえるまるせる
ガブリエル・マルセルとは、「存在」と「持つこと」の対比を軸に人間の存在論を探求したフランスのキリスト教実存主義哲学者です。
ガブリエル・オノレ・マルセル(Gabriel Honoré Marcel、1889〜1973)は、フランスの哲学者・劇作家・批評家で、20世紀のキリスト教実存主義(有神論的実存主義)を代表する思想家の一人です。パリに生まれ、ソルボンヌ大学で哲学を修め、1929年にカトリックに改宗したことが彼の哲学的展開に深く影響しました。
マルセルの哲学の核心は、「存在(être)」と「持つこと(avoir)」の根本的な区別にあります。現代社会が物質的な所有・効率・機能に偏重しているのに対し、真の人間的存在とは他者との「出会い」「参与」「忠実」「希望」「愛」によって開かれるものだと主張しました。
また、マルセルは哲学的問題を「問題(problème)」と「神秘(mystère)」に区別したことでも知られています。問題は客観的な分析で解決できる事柄ですが、存在・自由・愛・神といった根本的な問いは「神秘」であり、観察者自身がそこに巻き込まれているため客観的な外部からの解決は原理的にできないとしました。
主な著作には『存在と所有』『旅人』『形而上学日記』などがあります。サルトルの無神論的実存主義と対比される形でしばしば紹介され、人格主義・対話哲学とも深く結びついています。現代の生命倫理・ケアの哲学にも影響を与え続けています。
使い方・例文
実存主義哲学を学ぶ授業で、サルトルと並んで有神論的実存主義の代表例としてマルセルの名前と「存在と持つこと」の対比が紹介されます。
この用語をシェア
最終更新: