オーバートーンシンギングとは?
おーばーとーんしんぎんぐ
オーバートーンシンギングとは、ひとりの人間が口腔や咽頭の形を操作することで、基音と倍音を同時に響かせる特殊な発声技法です。
オーバートーンシンギング(Overtone Singing)とは、声道(口腔・咽頭・鼻腔)の形を精密にコントロールすることで、通常の歌声の基音に加えて高次の倍音(オーバートーン)を際立たせ、ひとりの人間がまるで複数の音を同時に出しているかのように聴こえる歌唱法です。「倍音唱法」や「ホーミー(Khoomei)」とも呼ばれます。
この技法はモンゴルやトゥヴァ(現ロシア連邦)など中央アジアの遊牧民文化に根ざした伝統芸能として発展しました。草原や山岳地帯の自然音を模倣するために生まれたとも言われており、ユネスコの無形文化遺産にも登録されています。西洋でも1960年代以降に研究が進み、現代音楽や瞑想音楽にも取り入れられるようになりました。
主なスタイルには次のようなものがあります。
- ホーミー:喉を半閉鎖した状態で倍音を強調するトゥヴァの基本スタイル
- カルガラー:より深く低音を使うモンゴルの様式
- カルギラー:喉の最深部を使い非常に低い基音から高い倍音を引き出す技法
発声原理としては、声帯が生み出した複合音のなかから特定の倍音を口腔の共鳴腔で選択的に増幅させます。音楽的な美しさだけでなく、音響学や声楽の研究対象としても注目されています。
使い方・例文
モンゴルの伝統音楽コンサートや瞑想・ヒーリング音楽の場面で、ひとりの歌い手がメロディーと高い笛のような音を同時に出している場合、オーバートーンシンギングが使われています。
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