エミール・ゾラとは?
えみーるぞら
エミール・ゾラとは、遺伝と環境が人間の運命を決するという自然主義の理念のもとに大河小説群を著し、社会の底辺に生きる人々を鋭く描いたフランスの作家です。
エミール・ゾラ(1840〜1902年)は、フランスの作家で、文学における「自然主義」を代表する存在です。自然主義とは、文学を科学的な観察・記録と同様に捉え、遺伝・環境・社会条件が人間の行動や運命にどう作用するかを克明に描こうとする文学思潮です。
ゾラの最大の業績は、ルーゴン=マッカール叢書と呼ばれる全20巻の大河小説シリーズ(1871〜1893年)です。第二帝政期のフランス社会を舞台に、ルーゴン家とマッカール家という二つの家系の5世代にわたる人々の生を追います。シリーズの中で特に有名なのは以下の作品です。
- 『居酒屋』——洗濯女ジェルヴェーズを主人公にアルコールと貧困の連鎖を描く
- 『ナナ』——高級娼婦ナナの栄光と没落
- 『ジェルミナール』——炭鉱労働者のストライキと搾取の構造
- 『制作』——印象派画家をモデルにした芸術家の苦闘
また、ゾラは文学者としての枠を超えた社会的行動でも知られます。1898年、ユダヤ系将校ドレフュスを冤罪に陥れたフランス軍の不正を告発する公開書簡「私は告発する(J'accuse)」を新聞に掲載し、世論を動かしたことは「ドレフュス事件」として今も語り継がれています。
使い方・例文
高校の世界文学史でフランス自然主義の代表として紹介されるほか、「ジェルミナール」は労働運動史の文脈でも取り上げられます。「私は告発する」という表現は今日でも知識人が権力に抗議する際の定型句として引用されます。
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