ウィルフレド・ラムとは?
うぃるふれどらむ
ウィルフレド・ラムは、キューバ出身の画家で、アフリカ・アジア・ヨーロッパにまたがる出自を反映しながら、シュルレアリスムとアフロ・カリブ海の精霊信仰を融合させた独自の芸術で知られます。
ウィルフレド・ラム(Wifredo Lam、1902〜1982年)は、キューバのサグア・ラ・グランデに生まれた画家です。中国人の父とアフリカ系・スペイン系の血を引く母のもとに生まれ、多文化的なルーツが彼の芸術の根幹をなしています。
1938年にスペイン内戦を経てパリに渡ったラムは、パブロ・ピカソに師事してキュビスムの造形言語を学ぶとともに、アンドレ・ブルトンらシュルレアリスム運動のメンバーと深く交流しました。しかし彼の芸術はヨーロッパ前衛の単純な模倣には終わりません。
キューバに帰郷したラムはアフロ・キューバの宗教「サンテリア」の神霊(オリシャ)や自然霊の世界と自らの表現を結びつけ、独自の神話的・呪術的イメージを生み出しました。代表作『ジャングル』(1943年)は、人間・植物・霊的存在が渾然一体となった幻視的世界を描き、近代西洋美術がアフリカ・カリブ海的宇宙観と対話した傑作として高く評価されています。
ラムの芸術は、コロニアリズム批判・文化混淆・霊性の表現という三つの軸を持ち、ラテンアメリカ現代美術の中で独特の位置を占めています。欧米の主要美術館にも多くの作品が収蔵されており、近年の再評価により国際的な知名度は高まっています。
使い方・例文
「ラテンアメリカ美術の多様性を論じる際、ウィルフレド・ラムの作品はシュルレアリスムとアフロ・カリブ文化の交差点として必ず取り上げられる。」
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