イブン・バッジャとは?
いぶんばっじゃ
イブン・バッジャは、12世紀のアンダルス(イスラームスペイン)で活躍したアラブ系の哲学者・医師・科学者であり、西洋ではアヴェンパーチェの名でも知られます。
イブン・バッジャ(Ibn Bājja、アラビア語:ابن باجة、ラテン語名:Avempace、1085年ごろ〜1138年)は、アンダルス(現在のスペイン)のサラゴサ出身のイスラーム哲学者・医師・天文学者・音楽理論家です。ムラービト朝に仕える宮廷人としても活動しました。
イブン・バッジャはアリストテレス哲学の深い注釈者として知られ、知性論・政治哲学・自然学にわたる著作を残しました。特に重要なのは魂の理論と知性論です。彼は能動知性との合一を通じた人間の最高の幸福を論じ、真の哲学者は腐敗した社会から距離を置いて生きる「孤独者」であるべきだという独特の政治哲学を展開しました。
主な著作と業績は以下の通りです。
- 『孤独者の統治(タドビール・アルムタワッヒッド)』:哲学者が理想的な共同体のないなかでいかに生きるべきかを論じた政治哲学の主著
- アリストテレスの自然学・魂論への注釈
- 天文学における惑星運動に関する批判的考察
- 医学・音楽理論にも著作を残した
イブン・バッジャの思想はイブン・トゥファイルやイブン・ルシュド(アヴェロエス)に影響を与え、アラブ哲学がラテン・スコラ哲学へ伝わる回路のひとつとなりました。
使い方・例文
イスラーム哲学史やアンダルス文化を扱う授業・書籍で、アリストテレス哲学のアラブへの受容と伝播を論じる文脈において、イブン・バッジャの著作と思想が紹介されます。
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