アンビバレンスとは?
あんびばれんす
アンビバレンスとは、同一の対象に対して相反する感情や態度を同時に抱く心理状態を指す言葉です。
アンビバレンス(ambivalence)とは、ある人や物事に対して、愛と憎しみ、好意と嫌悪、引き付けられる気持ちと拒絶する気持ちなど、互いに矛盾する感情や態度が同時に存在する心理状態を指します。日本語では「両価性」や「両面感情」と訳されることがあります。
この概念は、スイスの精神科医オイゲン・ブロイラーが20世紀初頭に精神医学の文脈で提唱したのが始まりとされています。ブロイラーは統合失調症の症状として両価性の存在を指摘しましたが、現在では精神疾患の有無にかかわらず、人間の心理全般に見られる普遍的な現象として広く認識されています。
アンビバレンスが生じやすい場面として、以下のようなものが挙げられます。
- 親密な人間関係(愛する相手に怒りを感じるなど)
- 重大な選択や決断を迫られる場面
- 自己評価(自信と劣等感が混在するなど)
- 文化的・価値的な葛藤
アンビバレンスは心理的な葛藤や不決断の原因になることもありますが、人間の感情の複雑さや豊かさを示すものでもあります。心理療法では、クライアントのアンビバレンスを理解・整理することが変化のきっかけになるとされており、動機づけ面接などのアプローチで重視されます。
使い方・例文
「長年勤めた会社を辞めることへの解放感と不安感が同時に押し寄せてくる、そのアンビバレンスな気持ちが彼女を決断させなかった」というように、相反する感情が共存する状況を表す際に使われます。
この用語をシェア
最終更新: