本文へスキップ

アナレプシスとは?

あなれぷしす

物語の時系列を一時的に過去に戻り、現在の出来事より前の事柄を語る叙述技法です。

アナレプシス(analepsis)とは、物語時間軸において、語りの現在地点よりも過去の出来事を挿入・回想する叙述技法です。一般にいう「フラッシュバック」はアナレプシスの一形態にあたります。文学理論家ジェラール・ジュネットが著書『物語のディスクール』(1972年)で体系化した概念で、「プロレプシス(先取り)」と対をなします。

アナレプシスはその範囲によっていくつかに分類されます。

  • 内的アナレプシス:物語が始まった時点より後の過去を振り返る。
  • 外的アナレプシス:物語が始まる前の時代にまで遡る。
  • 混合アナレプシス:物語の開始点をまたいで過去に遡る。

文学・映画・ゲームなど幅広いメディアで使われ、登場人物の動機や背景を読者に後から明かすことで、謎・共感・驚きを生み出します。ミステリー小説での「犯行に至るまでの経緯を後半で開示する」手法や、映画での「回想シーン」はアナレプシスの典型例です。

単なる過去の描写と異なり、アナレプシスは意図的に「いま語っている時点」との時間的落差を強調する点が特徴です。この技法を分析することで、作者が何を強調し、読者にどのような認識の逆転を期待しているかを読み解くことができます。

使い方・例文

映画の冒頭でいきなり事件の結末が描かれ、その後「3年前に遡る——」とテロップが出て過去の経緯が語られる構成は、アナレプシスの典型的な使い方です。

この用語をシェア

𝕏 でポスト LINE

最終更新:

関連用語