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りん光とは?

りんこう

りん光とは、光や放射線などによって励起された物質が、光源を取り除いた後も比較的長時間にわたって発光し続ける現象のことです。

りん光(燐光、phosphorescence)とは、物質が外部からエネルギー(光・電子線・X線など)を受けて励起状態になった後、励起源を取り除いても比較的長い時間わたって発光し続ける現象です。蛍光と同じく発光現象の一種ですが、発光の持続時間(寿命)が大きく異なります。

原子・分子の電子は通常、スピンが対になった一重項基底状態(S₀)にあります。光を吸収すると一重項励起状態(S₁)になり、蛍光はここから基底状態への遷移(10⁻⁹〜10⁻⁶秒)で生じます。一方、スピン多重度の変化(項間交差)によって三重項励起状態(T₁)に移ると、スピン禁制則により T₁ から S₀ への遷移が起きにくくなります。この禁制遷移がゆっくり(ミリ秒〜秒〜時間単位)起きるときに放出される光がりん光です。

りん光は蛍光と比べて次のような特徴があります。

  • 発光寿命が長く(数ms〜数時間)、暗所で光り続ける
  • 放出波長は励起光より長波長側(低エネルギー側)
  • 温度が低いほど発光が鮮明になることが多い
  • 重原子(重元素)の存在がスピン禁制を緩和し発光を促進する

日常の例としては暗所で光る「蓄光」(夜光塗料)が代表的です。また分析化学では試料を低温で測定するりん光分析が特定化合物の検出に使われ、有機EL材料の開発でも三重項状態の利用(りん光発光材料)が重要テーマとなっています。

使い方・例文

避難誘導標識や時計の文字盤に使われる蓄光材料は、明るい場所で光を蓄え、暗闇でもりん光によって数時間発光し続けることができます。

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