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DNARオーダーとは?意味と蘇生を行わない医療上の指示を詳しく解説

公開 2026年8月22日

この記事は 「DNARオーダーとは?」 の解説をくわしく掘り下げたものです。

DNARオーダーとは

DNARとは「Do Not Attempt Resuscitation(蘇生を試みないでください)」の略であり、患者本人や家族の意思、および医師の判断に基づいて、心肺停止状態になった際に心肺蘇生術(CPR)を実施しないことをあらかじめ決定しておく指示のことです。心肺蘇生術には、胸骨圧迫や人工呼吸、電気ショックによる除細動、強心剤の投与などが含まれ、いずれも身体に強い負担をかける処置です。特に高齢者や体力の低下した患者にとっては、胸骨圧迫による骨折など、蘇生に成功したとしてもその後の生活の質に影響を及ぼす可能性が指摘されています。こうした処置に伴う負担の大きさが、DNARオーダーの意義を考えるうえでの重要な背景のひとつとなっています。回復の見込みと処置の負担を天秤にかけて考える視点は、医療現場で重視される価値観のひとつです。

DNRからDNARへ

従来は「DNR(Do Not Resuscitate)」という表記が一般的でしたが、「蘇生を実施しない」という言葉が、あたかも助かる可能性があるのに何もしないかのような誤解を生みやすいことから、「蘇生を試みない」という意味を明確にした「DNAR」という表現が、医療現場では広く使われるようになりました。心肺停止からの蘇生成功率は病状によって大きく異なり、回復の見込みが極めて低い状況であっても試みる処置であることを踏まえ、より実態に即した表現として広まった経緯があります。呼び方の変更は単なる言葉の言い換えにとどまらず、患者や家族への説明の際に誤解を減らし、納得したうえで意思決定できるよう支えるうえでも意味のあるものとされています。

どのような状況で検討されるか

DNARオーダーが検討される状況としては、末期がんや重篤な慢性疾患など、回復が見込めない状態の患者が対象となることが多いです。心肺蘇生処置は体に大きな負担をかけるため、延命よりも苦痛を和らげ自然な死を迎えることを優先したいという、患者本人や家族の意向が尊重されます。DNARオーダーを決めるにあたっては、患者本人の意思がはっきりしている場合はもちろん、意思表示が難しい状態にある場合には、家族と医療チームが繰り返し話し合いを重ね、本人がこれまでどのような価値観で生きてきたかを踏まえて判断することが重視されます。

誤解されやすいポイントと患者の意思を支える仕組み

DNARオーダーはあくまで蘇生処置に限定した指示であり、治療そのものを止めるものではありません。

  • 鎮痛剤の投与などの緩和ケアは継続される
  • 酸素投与や輸液といった通常の治療も継続される
  • 対象となるのは心肺停止時の蘇生処置に限られる

日本では「事前指示書」や「アドバンス・ケア・プランニング(ACP)」の文脈で、DNARオーダーが議論されることが増えています。患者本人の自己決定権を尊重し、尊厳ある最期を支えるための重要な医療倫理の概念として認識されています。

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