隠伏5度とは?
いんぷくごど
隠伏5度とは、声部進行において二声が同じ方向に動いて完全5度へ到達する場合に生じる、対位法上の注意すべき進行のことです。
隠伏5度(いんぷくごど)とは、多声音楽における声部進行の一形態で、二つの声部が同じ方向(同行)に動くことで完全5度の音程へ到達する進行を指します。実際に5度が連続するわけではありませんが、その「予感」が隠れているとして「隠伏」と呼ばれます。
対位法・和声法では、連続5度(並行5度)は独立した声部感を損なうとして禁止されていますが、隠伏5度はそれに準じる「疑わしい進行」として扱われます。バッハら厳格対位法の時代には特に高声部(ソプラノ)と低声部(バス)の間で生じた場合に厳しく避けることが求められました。
具体的には、上声部が順次進行ではなく跳躍で完全5度へ向かうケースが最も問題とされます。一般に次の場面で登場します。
- ソプラノとバスが同方向に動き、完全5度へ到達する
- 上声部側の動きが跳躍進行である
- 協和音程(完全1度・8度・5度)へ向かう場合に限定される
現代の音楽理論では厳格対位法より制限が緩和されており、状況次第で許容されますが、声部の独立性を意識する際の指標として今も学習の基礎とされています。
使い方・例文
ソプラノが跳躍しながらバスと同じ方向に動き、完全5度の和音へ到達する場面で「隠伏5度に注意」と指摘されます。和声課題の添削でよく登場する用語です。
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