間身体性とは?
かんしんたいせい
間身体性とは、フランスの哲学者メルロ=ポンティが提唱した概念で、身体を介した他者との根本的なつながりや相互関係を指す現象学的概念です。
間身体性(かんしんたいせい、inter-corporeity)は、フランスの哲学者モーリス・メルロ=ポンティが晩年の著作『見えるものと見えないもの』(1968年、遺稿)などで展開した概念です。「身体図式(schéma corporel)」の拡張として、自己の身体と他者の身体が根本的な次元で絡み合い、互いに響き合う関係を指します。
メルロ=ポンティは、私たちが他者を理解するとき、単に思考によって他者の内面を推論するのではなく、身体レベルで他者の動きや表情を「共鳴・反響」させることで理解が生じると考えました。たとえば誰かが転んでいるのを見たとき、頭で論理的に「痛そうだ」と考える前に、自分の身体が反応します。これが間身体的な知覚です。
この概念は次の分野に影響を与えています。
- 認知科学・神経科学:ミラーニューロンの発見と関連して再評価された
- 現象学的心理学:共感や感情移入の身体的基盤の解明
- 舞踊・スポーツ研究:身体技法の伝達や共同的動作の理解
- 医療・介護:患者と医療者の身体的相互作用の考察
間身体性は、「心の理論」とは異なる視点から他者理解を説明する現象学の重要概念として、現代の認知哲学・社会科学でも参照されています。
使い方・例文
握手のときに相手の力加減や温もりを通じて相互理解が生まれる体験は、間身体性の概念が扱う身体レベルでの他者との交流の典型例です。
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