遺伝率とは?
いでんりつ
遺伝率とは、ある形質の表現型の変異のうち、遺伝的な要因によって説明できる割合を示す統計量で、0から1の値をとります。
遺伝率(heritability)は、集団における表現型の変異(ばらつき)のうち、どれだけの割合が遺伝的な要因に起因するかを示す統計的指標です。0(遺伝要因なし)から1(すべて遺伝要因)の値で表され、通常はパーセントで示されることもあります。
遺伝率には二種類の定義があります。
- 広義の遺伝率(H²):表現型分散のうち全遺伝的分散(相加・優性・上位性)が占める割合
- 狭義の遺伝率(h²):表現型分散のうち相加的遺伝分散のみが占める割合。選択への反応を予測するのに使われる
遺伝率はその集団・環境・時代に固有の値であり、普遍的な定数ではありません。同じ形質でも集団が変われば遺伝率は異なります。また遺伝率が高くても、環境介入によって形質を変えられる可能性は否定されません(例:身長は遺伝率が高いが、栄養状態の改善で世代ごとに変化してきた)。
遺伝率の応用例は次のとおりです。
- 育種学:作物・家畜の改良において、選抜育種の効率を予測する基本指標
- 行動遺伝学:知能・パーソナリティ・精神疾患リスクなどの遺伝的寄与の推定
- 進化生物学:自然選択による形質変化の速度を予測するブリーダー方程式(R = h²S)に使用
ヒトの双生児研究や動物の交配実験などで推定され、遺伝と環境の相互作用を理解する重要な概念です。
使い方・例文
農業分野では、小麦の収穫量の遺伝率を推定することで、優れた親株を選んで交配する選抜育種がどれくらい有効かを事前に予測します。遺伝率が高いほど、親の形質が子に伝わりやすく育種効率が上がります。
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