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逆行形とは?

ぎゃっこうけい

逆行形とは、音楽旋律や音列を時間的に逆方向から演奏する技法で、対位法や十二音技法における主要な変形手段のひとつです。

逆行形(ぎゃっこうけい、Retrograde)とは、ある音型・旋律・音列の音を最後の音から最初の音へと逆の順序で並べ直したものを指します。元の旋律を「鏡写し」にするように時間軸を反転させる技法で、バッハら対位法の時代から積極的に用いられてきました。

逆行形は次のような文脈で登場します。

  • 対位法・フーガ: 主題を逆行させ、元の主題と対位させる変形技法として用いる
  • カノン: 逆行カノン(蟹のカノン)では、ある声部が元の旋律を、別の声部が逆行形を同時に演奏する
  • 十二音技法(ドデカフォニー): 音列の4形式(原形・逆行形・反行形・逆行反行形)のひとつとして体系化され、シェーンベルク、ウェーベルン、ベルクらが積極的に使用した

逆行形では音程の方向性は保たれますが、リズムが同じでも全く異なる印象を与えることがあります。バッハの「音楽の捧げもの」や「フーガの技法」には逆行形・反行形を駆使した作品が含まれており、数学的な対称性と音楽的美しさを同時に実現しています。

現代音楽のみならず、映画音楽や実験的なポップスにおいても逆行形のアイデアは応用されています。音楽分析・作曲理論の学習において基本概念のひとつとして必ず登場します。

使い方・例文

シェーンベルクの十二音音楽では、主音列とその逆行形・反行形・逆行反行形の4形式を組み合わせて楽曲全体が構築されます。

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