自然権とは?
しぜんけん
人間が生まれながらに持つ、国家や法律によって与えられるのではない根本的な権利のことです。
自然権(しぜんけん、natural rights)とは、人間が人間であるという事実のみによって生まれながらに有するとされる権利で、国家・法律・社会的取り決めに先行して存在すると考えられる権利です。近代政治哲学の基礎概念の一つです。
自然権の思想的源泉は古代・中世の自然法思想に求められますが、近代的な自然権論を体系化したのは17世紀のジョン・ロックです。ロックは著書『統治二論』において、人間は生命・自由・財産への自然権を持ち、国家はこれらを保護するために人々が契約によって設立したものだと論じました。国家が自然権を侵害した場合、人民には抵抗する権利があるとしたことで、後の市民革命に大きな思想的影響を与えました。
自然権は以下のような形で歴史的な宣言・文書に結実しました。
- アメリカ独立宣言(1776年):「すべての人は平等に創られ、生命・自由・幸福追求の権利を付与されている」
- フランス人権宣言(1789年):自由・所有・安全・圧政への抵抗を自然権として宣言
現代では自然権の概念は「人権」という形で引き継がれ、普遍的人権の哲学的根拠として機能しています。一方で功利主義や法実証主義の立場からは「自然権とは実際には何を指すのか証明できない」という批判もあります。
使い方・例文
「たとえ法律で禁じられていても、人間には思想・良心の自由があるはずだ」という主張は、自然権の考え方に基づいた典型的な議論です。
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