臈纈とは?
ろうけち
布に蝋を塗って防染し、染料に浸けることで模様を表す古代インド発祥の染色技法です。
臈纈(ろうけち)とは、布の上に溶かした蝋(ろう)を置いて防染し、染料に浸けることで蝋を塗っていない部分だけを染め、文様を表す技法です。現代では「ろうけつ染め」と呼ばれることが多く、インドネシアのバティックとも同系の染色法です。
技法の手順は大まかに以下の通りです。
- 蝋(みつろうやパラフィン)を溶かし、筆や型を使って布の染めたくない部分に塗布する
- 染料液に布を浸して、蝋のない部分を染める
- 乾燥後に蝋を除去すると、蝋を置いた部分が白く抜け文様が現れる
- 複数色を重ねる場合はこの工程を繰り返す
臈纈は正倉院宝物の中にも残っており、飛鳥・奈良時代に中国・中央アジアを経由して日本に伝わったとされます。奈良時代には「纈(けち)」の技法のひとつとして絞纈・夾纈とともに三纈と呼ばれ、宮廷の染織に用いられました。
蝋の塗布がひびわれることで生じる「ひびきれ」(クラクレ)は臈纈染め独特の模様として珍重されます。現代では手芸・工芸として広く行われており、スカーフ・着物地・タペストリーなど様々な作品に応用されています。インドネシアのジャワ更紗(バティック)はこの技法の高度な発展形として、ユネスコ無形文化遺産にも登録されています。
使い方・例文
工芸体験で白い絹布に溶かした蝋を筆で描いてから染料液に浸けると、蝋を置いた部分が白く残り、独特の線模様が浮かび上がった。ひびわれた蝋の隙間に染料が入り込んで生じる「ひびきれ」が、ろうけつ染めならではの味わいを生む。
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