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脱酸処理とは?

だつさんしょり

脱酸処理とは、紙や文書の酸性化を中和・抑制して劣化を遅らせる保存処理技術で、図書館や文書館での資料保存に用いられます。

脱酸処理(だっさんしょり、英: deacidification)とは、紙資料に含まれる酸性物質を中和し、さらにアルカリ性緩衝材を添加することで、紙の長期保存性を高める保存科学的処理のことです。図書館・文書館・博物館・公文書館などの資料保存の分野で広く実施されています。

紙は製造過程や経年変化によって酸性化が進み、セルロース繊維の加水分解や酸化が起こります。特に明治時代以降の洋紙には製造時に「ロジンサイジング」と呼ばれる酸性の工程が採用されており、これが内在する酸の主要な原因となっています。酸性化した紙は黄変・脆化が進み、最終的には折れ砕けてしまいます。

脱酸処理の主な方法は以下のとおりです。

  • 水溶液浸漬法: 重炭酸マグネシウムや重炭酸カルシウムの水溶液に資料を浸す(個別処理・水損リスクあり)
  • 非水溶液法: 有機溶剤系の処理剤を用いる(インクへの影響が少ない)
  • 気相処理法: アルカリ性ガスをチャンバー内で資料に吹き付ける大量一括処理

処理後は紙のpHがアルカリ側に傾き、アルカリ性緩衝材が今後生じる酸を中和し続けるため、劣化速度を大幅に遅らせることができます。貴重な歴史的文書・古典籍の次世代への継承において、欠かせない保存処理技術です。

使い方・例文

「明治期の新聞を将来に残すため、図書館では気相処理による脱酸処理を一括実施し、紙の寿命を延ばした」のように、資料保存・文書館業務の文脈で使われます。

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