義訓とは?
ぎくん
義訓とは、漢字の意味(義)に基づいて日本語の和語読みを当てる訓読みの一種で、字の音とは無関係に意味で読む方法です。
義訓(ぎくん)とは、漢字の本来の意味(義)を手がかりにして、その意味に相当する日本語の和語(やまとことば)を読みとして当てた訓読みのことです。通常の訓読みも漢字の意味に基づいて和語を当てるものですが、義訓は特に一般的でない読み方や、漢字本来の字義から類推して当てられた非標準的な読み方を指すことが多くあります。
義訓の具体例としては次のようなものが挙げられます。
- 「海月」→「くらげ」(月に似た海の生き物という意味で「くらげ」と読む)
- 「蛍烏賊」→「ほたるいか」(文字の意味の組み合わせで和名を当てる)
- 「五月雨」→「さみだれ」(五月に降る雨という意味から)
- 「時雨」→「しぐれ」(時節の雨という意味で当てた読み)
義訓は日本語の文字文化における創造的な営みのひとつです。漢籍(中国の古典)を読む際に意味から和語を当てる実践が積み重なり、やがて固有の読みとして定着したものも多くあります。万葉集など上代の文献にも義訓的な用法が見られ、日本人が漢字を受容し独自に発展させた証拠として国語学・訓詁学上の重要な研究対象となっています。現代語でも固有名詞や生物名などに義訓的な当て字が多く残っています。
使い方・例文
魚介類の漢字表記(「鯖」をサバ、「鰤」をブリと読む)は、漢字の部首や意味から和名を当てた義訓的な慣行の名残として日常的に目にする例です。
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