羅生門とは?
らしょうもん
羅生門とは、芥川龍之介が1915年に発表した短編小説、およびその舞台となる平安時代の京都・朱雀大路に建っていた大門のことです。
羅生門は、もともと平安京の正門である朱雀大路の南端に位置した大きな城門の名称です。「羅城門」とも書き、平安時代には都の正式な南玄関として機能していました。しかし時代が下るにつれて荒廃し、盗賊や死体が放置される場所として人々に恐れられるようになったと伝えられています。
文学作品としての「羅生門」は、芥川龍之介が1915年(大正4年)に発表した短編小説です。今昔物語集に収録された説話を下敷きに、人間の「生きるための悪」という倫理的テーマを鋭く描いています。
物語の筋は次のようなものです。主人に暇を出された下人が行き場を失い、雨宿りをしながら羅生門の楼上に上がると、老婆が死体から髪を抜いているのを目撃します。「悪に手を染めるしかない」という老婆の論理を聞いた下人は、逆に老婆の着物を剥ぎ取って姿を消す——という結末で、善悪の境界と人間のエゴイズムを描く名作です。
1950年には黒澤明監督が同じ芥川作品「藪の中」を主軸に映画化し、本作も一部取り込んだ作品を「羅生門」として公開、ヴェネツィア国際映画祭金獅子賞を受賞して世界的に知られるようになりました。現在「羅生門」という語は、真実が多面的で不確かであることを示す「羅生門的状況」という比喩表現としても使われます。
使い方・例文
「羅生門」は国語の教科書に長く採用されており、「先週の授業で羅生門を読んだ」のように学習の文脈でよく登場します。また「証言が食い違い、まるで羅生門だ」のように、真相が人によって異なる状況の比喩としても使われます。
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