紺屋高尾とは?
こうやたかお
紺屋高尾とは、身分や境遇の差を超えた一途な恋愛を描いた落語・講談の演目名、またそこから転じて叶わぬ恋への切ない執着を指す言葉です。
「紺屋高尾」は江戸時代を舞台にした日本の落語・講談の古典演目のひとつで、染物職人(紺屋)の若者が吉原の花魁・高尾に一目惚れし、三年間必死に働いて身請けの代金を貯え、やがて彼女と結ばれるという純愛物語です。
紺屋とは染物を業とする職人のことで、当時は庶民の代表的な職業のひとつでした。一方、吉原の高尾は時代を代表する名妓の呼び名でもあり、実在した複数の遊女がこの名を継いだことでも知られています。演目の中では、身分の差という大きな壁を前に、若者が愚直なまでの誠実さと努力で夢を実現するさまが生き生きと描かれます。
この話が広く知られるようになった結果、「紺屋高尾」という言葉は分不相応ともいえる恋への一途な思いや、身近でない高嶺の花への純粋な憧れを表すたとえとしても使われるようになりました。落語では三遊亭圓朝が磨いたバージョンが有名で、人情噺の傑作として今日も高座にかかります。
演目としての構成は、庶民的なユーモアと感動を巧みに織り交ぜたもので、主人公の健気さと最後の成就がカタルシスを生み出すため、幅広い年代に支持されています。
使い方・例文
「あの子はアイドルで、まるで紺屋高尾だよ」というように、遠い存在への一途な恋心を語る場面で慣用的に使われます。また落語の演目名として「今日の演目は紺屋高尾です」と高座で紹介される形でも登場します。
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