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系統地理学とは?

けいとうちりがく

系統地理学とは、生物の遺伝的系統関係と地理的分布パターンを組み合わせて、種の分布史や進化過程を解明する学問分野です。

系統地理学(phylogeography)は、集団遺伝学分子系統学・生物地理学を統合した分野で、生物の遺伝的系統関係の空間的パターンを解析することで、過去の地理的・気候的イベントが生物の分布と多様化に与えた影響を明らかにします。1987年にジョン・アビスらが提唱した比較的新しい研究領域です。

系統地理学研究では主にミトコンドリアDNAや核DNAのマーカーを用いて、以下のような問いに答えます。

  • 氷河期の分布変動が現在の遺伝的多様性パターンをどう形成したか。
  • 地形的障壁(山脈・海峡・川)が遺伝的分化をどの程度促進したか。
  • 異なる地域の集団が過去にどのような接触・混合を経験したか。
  • 種の起源地(refugia:氷期の避難地)はどこだったか。

日本の生物研究では、列島の形成史や大陸との陸橋接続の歴史が多くの動植物の遺伝的構造に刻まれており、系統地理学はその解明に大きく貢献しています。ツキノワグマやニホンカモシカなどで本州・九州・北海道の集団間の遺伝的分化が明らかにされています。現在はゲノムワイドなデータを用いた解析が主流となっています。

使い方・例文

最終氷期に日本列島が大陸と接続していた時代の痕跡が、現在の動植物の遺伝的構造に残っており、系統地理学的解析によって当時の分布経路や隔離の歴史を復元することができます。

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